今は自分が10代、20代の頃とは環境が大きく変わっていて、インターネットやSNSで大体の情報は得られる時代だけど、それでもやっぱり作者や出版社の方をはじめとする多くの人たちの英知を集めて作られる本からしか得られない情報や知識があると思う
今回は、自分がこれまで読んできた中で、金融リテラシーを高めるのに役立つ本3冊を紹介します
諸外国の事情に詳しいわけではないけど、少なくとも日本人のお金に関するリテラシーが低いというのはよく言われていることで、生きていくのに必須の要素であるにも関わらず学校では実生活に役立つ内容はほぼ教えてもらえないし、お金の話を大っぴらにすることは何となく躊躇われるし、お金を稼ぎたいと思うこともガメついみたいな見方をされることが多い気がする
でも、現実問題としてお金がなければ人は生活していけないし、逆にお金があれば人生の選択肢も広がる
要は正しい使い方をできるか否かの問題なので、特に若いうちにお金に関する正しい知識を身につけておくことは、生きていく上で損はないどころか、今後は必須になるんじゃないかと思う
「10代・20代必読」と書いたけど、私自身はどれも30代以降で読み、それでも役に立ったと思うので、早いに越したことはないものの、これからの人生で最も若い日である今日というチャンスを逃さずに、知ったその日に読んでみていただきたい
一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門[竹川 美奈子]
私が初めて読んだ資産形成に関する本で、投資信託に関する基本的な内容(用語解説、仕組み、投信の選び方、買い方、解約の方法など)がイラストや図版を交えてわかりやすく紹介されている
(今は改訂版が出ているけど、当時私が読んだのは改定前のもの)
この本を読んだのは30代中盤ぐらいのときで、きっかけは、当時からよく読んでいた雑誌「日経WOMAN」でiDeCoやNISAなどの制度が紹介されていたことだった
私は30代前半で貯金のみで資産1,000万円を突破して、自分の中ではそれなりの額だと思ってたんだけど、自分と同じ年代や自分より年下でも投資で数千万円以上の資産を築いている人がいることを知って、すごっ!と思い投資に興味を持つようになった
そんなわけでとりあえず勉強してみようということで手に取ったのがこの本で、初心者が投資信託について学ぶには必要十分な内容だと思う
これを読んだ後にiDeCoと積立NISAの両方を始めて、少しずつ成果が出ていくのを確認できたところで、特定口座での積立も開始した
その後のコロナ禍の影響で資産が減って少し焦ったときもあったけど、投資の三原則である「長期」「積立」「分散」を信じて続けたことで、投資を開始してから約5年で2,000万円以上資産が増えた
(退職金で増えた分もあるから、それを除くと2,000万円弱だけど)
私はそもそも30代になるまで投資信託なんてほぼ知らなかった上にリスクがあって危険なものと思っていたし、両親も割とそのあたりに無頓着だったから、ただただ貯金だけしておけばいいものと思っていたけど、物価が上がればお金の価値は相対的に下がってしまうから、賢くお金を増やしていくべきなんだなということを、投資の知識を身に着けていく中で学んだ
投資信託の基本的な知識を身に着けたい人におすすめの1冊です
FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド[クリスティー・シェン]
こちらも「日経WOMAN」で紹介されていたもので、私がFIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉を知るきっかけにもなった本です
内容としては、FIRE実現のための指南書で、31歳でミリオネアになり早期リタイアした著者たちが実践した方法や経験に基づいて、経済的自立を達成し早期に退職するための具体的なステップが記されている
ポイントは以下のとおり
- 節約の技術:収入を最大限に活用するための節約術や支出の見直し方法
- 投資の基本:リスクを抑えながら資産を増やすための投資戦略
- 収入の多様化:本業以外の収入源を確保する方法
- ライフスタイルの設計:早期リタイア後の生活をどのように設計するか
- 心構えとモチベーション:目標達成に向けたメンタルの保ち方
この本を読むまでは、定年まで働くことが当たり前だと思っていたので、30代前半で早期リタイアできる人がいるということが衝撃的だった
一方で、この本を読んだとき(3年前ぐらい)には、最初に紹介した投資信託の本を読んで投資を実践していたこともあって、もしかしたら自分にもできるかも!という微かな希望を抱かせてくれる内容でもあった
(そのとき既に30代後半だった私には、本の帯に書かれている「30代で経済的自立を達成する」のは絶望的だったけど・・・)
あと、この本で紹介されていたETF(上場投資信託)を1年前ぐらいから始めて、こちらも割と大きな成果が出ているので、そういう意味でも自分にとっては有意義な内容だった
著者が海外の方なので、日本人がこれをそのまま適用できるかというと疑問はいろいろあったけど、近年は日本でもFIRE(サイドFIRE、バリスタFIREなども含む)を達成する人が出てきているので、その概念を広めたこの本の影響は大きかったんじゃないかと思う
FIREに少しでも興味のある人は是非一度読んでみてほしい
ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門「自分年金」を増やす最強の5ステップ[かんち]
こちらはつい最近読んだもので、個別株への投資はやらないと決めていた私がついに個別株に手を出すきっかけになった本です
投資信託だけでも貯金のみの場合に比べて飛躍的に貯まるスピードはアップするんだけど、一気に多額をつぎ込むのはセオリーに反するかなと思って普通預金と定期預金に眠らせていたお金が結構あって、それを有効に活かしたいと思っていたところ、TikTokで高配当株に関する投稿を見かけて興味を持った
なぜこの本を選んだかというと、作者であるかんちさんが元消防士で初任給10万円程度だったにも関わらず、(パチンコでも稼ぎながら)20歳から株式投資を始め、コツコツと投資額を増やしていき、49歳で早期退職するまでに2億円弱の資産を築き上げ、さらに早期退職後の13年間で資産を3倍以上にしたという話に、個別株の可能性を感じたから
短期的に株の売り買いを繰り返して荒稼ぎする人もいるけれど、大きな余剰資金を持たない一般的な人にとってはリスクが大きすぎてとても真似できる方法ではない
一方で、かんちさんの手法は、ご本人の収入をみてもわかるとおり、極端な高給取りでなくても取り組める内容で、多くの人にとって再現性が高い
本書では、高配当株の探し方についての5つのステップだけでなく、実際にかんちさんご自身が保有されている銘柄やおすすめの銘柄も紹介されている
(おすすめの銘柄は2024年4月1日時点のものなので、当然タイミングによって変わってくるけど、5つのステップを参考にその時の株価を見て自分でも判断できる)
実際に私も本に書かれている内容を参考に、早速個別株を8銘柄購入してみた
投資信託と違って生き物のように株価が変動するのは面白くもあり少しこわくもあるけど、こちらも長期・分散を守れば続けていけそうだなと思った
配当金に加えて、株主優待をもらえるものもいくつか選んだので、それも投資信託にはない魅力として楽しめる
かんちさんは、株をやっていたお父さんから”株の帝王学”を受けて育ったということで、親の金融リテラシーの高さというのはやはり重要だなということを改めて感じた
とは言え、育った環境は変えようがないので、こういう有り難い情報が手軽に得られる現状に感謝しつつ、自分の金融リテラシーを高めていければいいのかなと思う
最近は1株から購入できるものもあるので、この本を読んでぜひチャレンジしてみては
まとめ
本記事で紹介した本は、どれも私が若いときにあれば読んでおきたかったと思うもので、20代までに読んでおくと、その後の人生をお金の面で少し楽にしてくれるんじゃないかと思う
もちろん若いときにしかできない経験やその時の感性じゃないと得られない感動もあるから、お金を増やすことだけに執着しすぎない方がいいけど、適度に自己投資しながら少額ずつでも積み立てていけば、未来の自分への投資にもなる
特に投資信託は、個別株よりもハードルが低い上に、長期になればなるほど複利効果を得られやすく、また、収益が安定していくので、すぐにでも始めた方がいいと就職前の自分に教えてあげたい
・・・けどどう足掻いても今さら無理なので、なるべく多くの若い人たちに、お金に関する正しい知識を身に着けてもらって、自分の人生の舵取りを少しでも楽に、かつ楽しくしてもらえるといいなと思う